■ 今月のフィーヤン
「あの……富尾さん好きです」
「あ?え?ありがとう!」
「でもあの 私 死んだ彼のことも忘れられなくて
すごく大好きだったんで」
「あーーー うん 知っとる
それは……忘れんでもええんじゃない」
「でも富尾さんも好き」
富尾さんは?
富尾さんは私のこと好き?
好きって言って……」
「好きよ もちろん
あーーー なんてカワイイこと言うの 君は
そんな寂しかったら 俺んち来ればええよ」
このシーンがすごい…上手い!っていうと何だけど、とにかく上手いです。
紺ちゃんという女の子が主人公なのですが、恋人をバイク事故で突然亡くしてしまって、ものすごい喪失感で精神のバランスが崩れるほどのショックを受けるんですね。彼のお墓参りにも、彼のお母さんと一緒にしょっちゅう行くんですが、お母さんに「もうそんなに来てくださらなくてもいいのよ…わたしが辛いから」と言われて(このお母さんの気持ちも痛いほど分かる…)、みんなが彼のことを忘れたほうがいいと、彼の話をしないようにと紺ちゃんに気を使う中で、パーティで知り合った富尾さんという男性だけ普通に彼の話もしてくれてきいてくれる。
紺ちゃんは「富尾さんが好き」と言うんだけど、それは亡くなった彼のことが好き、という気持ちとは多分全然違ったものだろう。それは紺ちゃんも、富尾さんもよく分かっているのだと思う。
紺ちゃんがひとりでは抱えきれない辛さを、富尾さんは受け止めようとしてくれるんだけど、果たしてどうなるのだろう…と続きがとても気になります。
思ったんだけど、男性ってさ、こういう女の子を受け止めたい、みたいな気持ちがあるような気がするよ。そんなことない?
自分のことだけを愛してるわけではないけど、自分のことを切実に必要としてくれてる相手は放っておけない、みたいな。責任感というか。庇護欲というか。
女性は「わたしのことを理解してわたしひとりをかけがえのない存在として愛して!」みたいな欲が強そうな気がする。
Comments
ダーダー泣きながら、このシーンで何杯も米飯食べちゃったよ!(?
わたしもかなりグッときちゃったよ。
この富尾さんのたたずまいもイイよねえ…