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『電車男』の定期券

映画『電車男』感想その2です。以下ネタバレありますのでご注意下さい。

ご主人様がこんな風に解釈してたんですが、やっぱりどうにも納得がいかない。

吉村智樹さんが日記でやはりラストの解釈について書いておられて
映画『電車男』をご覧になった方へ
いまごろ電車男の話かよ俺! その2
この映画のいびつな(そして魅力的な)ところは、ラストシーンがトップではなく開巻してしばらくしたシーンに戻るところ。数字の6みたいな戻り方をする。
そうそう、わたしもそこがものすごく疑問だったんですよ。
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山田孝之 村上正典 中谷美紀

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映画で時間が戻る終わり方というのはよくあります。例えば『プライベート・ライアン』とか(そういえば『電車男』にこの映画のパロディシーンがありましたね)『タイタニック』なんかがそうです。でもそれはだいたい冒頭に戻っている。現在があって、過去の物語が語られて、また現在に戻る、という構成ですね。
だからあの定期券のシーンで挟まれた部分は何か特殊な時間である、と考えることが出来ます。現在の時間とは別な時間です。それは何か。

映画は、電車を降りる電車男をエルメスが見つめているところで終わります。その後、電車男がトボトボとホームを歩いていますが、引きのシーンです。印象としては、エルメスのアップが残ります。エルメスの視点になります。
そこからわたしが考えた解釈は、定期券のシーンで挟まれた時間、あれは全部エルメスの妄想だった、というものです。

電車の中で冴えないオタク青年を見た女が「ああゆう子でも磨けば光るかもしんないのにもったいないなー」と思って「わたしがあのオタク君と出会って、それでわたしのこと好きになったら外見とかも変わったりして…」「それでさ、絶対ああゆうのは2ちゃんとかやってるからスレで恋愛相談したりするんだよね」「あるあるwwww」みたいな夢が広がりんぐー妄想。それが定期券で挟まれた時間なのではないかと考えてみると、わたしの中ではとてもしっくりきます。

映画の中のエルメスは本当に聖母そのものなんですが、どうにも空っぽで人間味が無いというかありえないっすよね実際のとこ。中谷美紀の演技が説得力あるのでそうはとらえにくいけど、デートの途中でほったらかしにされて彼氏がネットカフェに入ったりなんかしたらいくら聖母でもブチギレますよフツー。
そんな女いねーよ、というのが「男性から見た都合の良い女性のイメージ」ではなくて、女性自身が「もしもこういう自分であればなあ」という理想型だと考えれば、エルメスの妄想だったという線も十分アリだと思うのです。

それであれですよ、次にエルメスが妄想するのは旧電車男×新電車男のカップリングですよ!あれは妄想の旅への定期券だったんですよ。って腐女子の妄想映画だった!と考えるとアレですか、みなさん萎え〜ってかんじですかね…。
| 2005.12.19 Monday 14:53 | Movie | comments (2) | trackback (0) |

Comments

まてて ( 2005/12/19 10:13 PM)
おお!なるほどそう来たか!
エルメスの妄想かあ。しかも腐女子かYO!
GEMINI ( 2005/12/20 07:49 AM)
エルメスが空っぽに見えるのはそれが自分だから、という風に解釈出来るんですよね。恋愛妄想では相手についていろいろ妄想するけど自分は自分なので特に深く掘り下げて妄想する必要は無いわけです。
だからエルメスについてあれこれ描かれていたドラマ版『電車男』は電車男側の視点からの妄想。
そんでこのブログも全部わたしの妄想!

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