■ 敬語の本
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泣けた。
…敬語とは何か?という歴史について主に書かれている本なんだけど、泣けたよ。マジ泣けたっす。
橋本治節全開ですよ。ハシモトフルスロットルですよ。
敬語とは相手との関係性から生まれた言葉である。身分制度のあった時代には明確な上下関係があったけど、今は「尊敬できる相手」かどうか、自分で考えなくてはいけない。関係性・相手との距離感を自分で確かめて決めないといけない。そういうことが書いてある本です。
英語での「YOU」にあたるような、どんな相手にも使える二人称代名詞が日本語にはない。
まず「相手が自分にとってどんな人なのか?」ということを考えないと、「あなた」「きみ」「おまえ」という沢山ある二人称が使えない。日本語というものはとてもめんどくさい。
しかしそれは逆に言うと、日本語には豊かな表現力がある、ということでもある。
めんどくさがらずに、相手と自分との距離を考え、そして「この人とは仲良くなれるかな」と思ったら距離を近くしていけるように考えていこう、と橋本治は書いている。考えることは無駄ではない、と。
関西弁の「自分〜」という呼びかけは一人称なのに二人称である不思議な言葉ですが、これについても言及されてます。深い内容です。
10代前半向けに書かれた本ですが、人間関係に悩む人すべてにオススメです。
ちなみにわたしが泣けたのは15章の「日本語には豊かな表現がある」の太田君との再開シーンです。これはちょっと、ヘタなドラマよりグッときました。こういう気持になれるのも日本語が複雑なせいだよね、と思うとちょっと嬉しい気持になります。
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